実行委員長挨拶: 日墺友好 150周年記念舞踏会

見聞録「ウィーンの舞踏会」

Ball zum 150. Jubiläum der Japanisch – Österreichischen Freundschaft

ウィーンの舞踏会見聞録

2014年2月27日から3月1日までウィーンで開催された舞踏会三つに実行委員が参加した時の様子をみなさまにウィーンの舞踏会を知って頂くためにご紹介致します。

ウィーンの舞踏会

ウィーンと言えば音楽とともに舞踏会も有名です。ウィーンを訪れた人の多くは何らかのコンサートやオペラの公演を聴きに行きすばらしい音楽を堪能すると思いますが、舞踏会に参加して楽しむ人はまだ少ないでしょう。彼の地では毎年12月から3月までの間、大小さまざまな舞踏会が500近くも開催されると言われますから、この期間は毎晩ウィーンのどこかで必ず舞踏会が開かれていることになります。開演はだいたい夜の10時で、終了は朝の5時というのが一般的です。ヨハン・シュトラウスの「こうもり」に出てくる夜会そのものです。舞踏会は英語ではDance Party(ダンス・パーティ)ですが、ウィーンでは単にBall(バル)と言われ、老いも若きも「バル! バル!」と言ってこの時期盛り上がります。

Opernball(国立歌劇場舞踏会)会場:国立歌劇場

このウィーンで開催される舞踏会の最高峰に位置するのが国立歌劇場を舞台に開催されるOpernballです。これはオーストリアの国家行事となっており、会場となる歌劇場の貴賓席には大統領他、政府首脳や海外から招待された高官が正装、帯勲して居並びます。平土間には特設のダンス用床が設置され、回りを取り囲むロージェ(ボックス席)には着飾ったセレブ達が陣取ります。 2014年は2月27日に開催され、その様子はORF(オーストリア放送協会)で同時中継され、オーストリアはもちろんヨーロッパ各国に放送されました。さながらかつての日本の大晦日の紅白歌合戦テレビ中継のようです。

舞踏会では開会していきなり踊りが始まるわけではありません。最初に厳かなセレモニーがあります。特にOpernballではそれが充実していて、国家斉唱、EU歌演奏に続き、デビュタント(その舞踏会で始めて社交界にデビューする若者たち)の入場があり、その後国立歌劇場バレエ団によるバレエの演技、歌劇場の専属オペラ歌手による歌唱が続きます。そしてウィーン・フィルハーモニーによる記念演奏があり、終わるとやっとデビュタント全員によるダンスの演技が始まります。 最初は隊列を作ってカドリールを整然と踊り、その後ウィンナワルツの調べに乗ってくるくると回りながらワルツを華麗に踊ります。女性は全員白いドレスでお揃いのティアラをつけていてとても綺麗です。

そして、その後「Alles Walzer(全員でワルツを)!」のかけ声とともにフロアの人たちが全員で踊り始めます。何千人もの人がいっせいに踊るわけですからその混雑はもの凄く、通勤電車の朝のラッシュと変わらない感じです。その場で踊るしかなく、とてもくるくると回ることなどできません。日本でのダンス・パーティをイメージして行くとその違いにかなり戸惑うことでしょう。

Opernballで演奏する楽団は三つです。ステージ上に設けられた特設ロージェの上のオケピットにはこの時だけ編成されるウィーン国立歌劇場舞踏会オーケストラが、その下のダンスフロアにはセレモニーで演奏するウィーン・フィルハーモニー、貴賓席の下の普段は立ち見席となる場所にはビッグバンドという感じです。みなさんはウィーンの舞踏会ではウィンナワルツしか踊らないと思うかも知れませんが、それは大きな間違いで社交ダンスのモダンとラテンのほとんどの種目がかかります。スローワルツやタンゴ、スローフォックストロット、クイックステップもありますし、ビッグバンドの演奏になるとラテンが多くかかり、ジルバ、ルンバ、チャチャチャ、サンバなども熱狂的に踊られます。ウィーンらしい種目といえばポルカがかかることと時間をきめてカドリールを全員で踊ることでしょう。ほとんどの舞踏会でヨハン・シュトラウスの「こうもりカドリール」が踊られます。ダンスの合間に飲んだり食べたりして談笑していた人たちもこの「こうもりカドリール」の開始時間になるとぞろぞろとダンスフロアに集まってきます。1番から6番まであるそれぞれの楽章に振り付けがあり、初めての人でも分かるように壇上ではダンスの先生がドイツ語と英語で早口で説明するのですが、そんな簡単なものではなく、フロアいっぱいに何列にも並んでいる人たちは大混乱に陥ります。「こうもりカドリール」ではこの混乱するのが楽しいという人もいますが、危険性もあります。何列にも向かい合って並んだ列の隙間を先ほどのデビュタントの若者が、男女ペアでものすごいギャロップで駆け抜けていきます。そこはそこ、若者はおとなしいカドリールやワルツでは飽き足らず目立ちたいのでしょう!カドリールの基本は向かい合った2組4人で踊るので、いくら自分たちがきちんと踊れても相手のペアが振り付けをよく知らないと楽しめません。それと女性はパートナーチェンジを頻繁にするので、相手のパートナーの女性が肥っていないところに並ぶとよいのだそうです(これは女性から聞いた内緒の話・・・、笑)

楽しいバルも2回目のカドリールが終わり朝の3時くらいになると帰り始める人が出てきます。最後の5時までいると玄関を出たところで、今まで参加していた舞踏会のことが掲載された新聞朝刊とサンドイッチが無料で配られていたりします。

Bonbonball(お菓子屋さんの舞踏会)会場:コンツェルトハウス

二日目の2月28日は、前日とはうって変わってかなりカジュアルな雰囲気のBonbonballです。この舞踏会はウィーンの製菓会社の組合が主催する舞踏会で、入り口で手提げ袋が配られ、たくさんのお菓子を無料でもらうことができるのが特徴です。この舞踏会は若者の参加が多く、ステージ上ではミスボンボンバルコンテストなどが行われて盛り上がっていました。伴奏のオケは弦4部一人ずつにフルート、オーボエ、クラリネット、ファゴットがやはり一人で指揮はバイオリンの弾き振りという8名編成の小規模なオケです。このオケの伴奏はとても良かったです。 舞踏会でのダンス伴奏を熟知しているようで、踊る人の様子をみながらテンポを変えたり、即興でリピートを入れたりします。ヨハン・シュトラウスの楽団もその昔こうだったのだろうなと想像してしまいました。この舞踏会では時々天井にある大きな風船が床に下りてきて、参加者は競って風船を割りに行きます。割ると中から景品が出てくるという仕掛けになっていました。ごった返すダンスフロアには風船の残骸などいろいろな物が散乱していて、脚で蹴って邪魔にならないようフロア外に出しなら踊るというこれも日本ではあまりない経験ができました。この日はお菓子で膨らんだ紙袋を持ってホテルに帰りました。

Juristenball(法律家の舞踏会)会場:王宮

三日目の3月1日は、王宮で開かれるJuristenballです。この王宮で開かれる舞踏会だけでも期間中18もあるそうです。中でもこのJuristenballは文字通り弁護士さんが多く、社会的地位が高いインテリが多く参加する格調高いバルと聞いて参加しました。開演が9:30と他の舞踏会よりちょっと早いのですが、理由は参加してみてよく分かりました。最初のセレモニーで来賓がぞろぞろ入場するのですが、その数がとても多いのです。この入場行進だけで30分かかりました。ステージ上の来賓席はどうみても100人分くらいしかイスがないのですが、ほとんどの来賓はステージに上がるとそのまま後ろのドアから出て行きました(笑)来賓スピーチもたくさんあり、ちょっと日本の昔の小学校の運動会みたいでした。セレモニーのあと、デビュタントの踊りがあるのはOpernballと同じです。

Juristenballのある王宮ではメインのザール以外にもいくつかの部屋に舞踏会会場が用意されていて、それぞれバンドやジャズトリオが演奏していてそこでも踊れるようになっていました。そのため、メインの会場が混雑で踊りにくいと言うことはあまりありません。時間を決めて「こうもりカドリール」が踊られるのは他の舞踏会と全く同じです。なるべくダンスが上手そうなインテリでスマートな女性とのペアを探して前に並んだのは言うまでもありません。この舞踏会では間違える人が少なく6番のテンポはどんどん早くなっていきましたが、オケがきっちりと演奏していたので驚きです。 終わると参加者は拍手喝采でした。


まとめ

Opernballは最高峰の国家行事の舞踏会、Bonbonballはかなりくだけた舞踏会で、三日目のJuristenballが一番ウィーンらしい舞踏会でしっくりと来るものでした。ウィーンによく行く人は、二つの行事を経験しないと本物ではないと言われます。一つはご存じ元日のウィーン・フィルのニューイヤーコンサート、もうひとつはOpernballに参加して夜通し踊ることだそうです。ニューイヤーコンサートはもう少し先にとっておくとして、この機会に Opernball他、ウィーンの舞踏会に連夜参加できたのは本当によい経験でした。どの舞踏会でも参加している人たちはパートナーや仲間との親交・交流が目的のようでとっても楽しそうでした。ダンスは楽しく踊るのが一番ですね。上手い下手に関係なく来たる11月29日の記念舞踏会にもぜひ気軽にご参加頂き、参加したみなさん同士で交流してください。

日墺友好150周年記念舞踏会実行委員会

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